店長のコラム

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熱帯魚の飼育スタイルには大きく別けて二つのパターンがあるように思います。


ひとつは犬やネコを飼うのと同じような感覚で熱帯魚をペットとして捉え、その飼育自体を楽しむというスタイルです。このような場合、アロワナをはじめとする肉食系大型魚や大型ナマズ、プレコ、ディスカスなど、やや大きめのサイズの魚がその対象として考えられます。

当然餌を与えたり、水換えをしたりと世話はつきものなのですが、犬に散歩が必要なのと同じように、それらの作業はある意味飼育者にとっては楽しみでもあるわけです。


そしてもう一つは、熱帯魚が泳ぐ水槽をお部屋のインテリアとして楽しむスタイルです。この場合、熱帯魚そのものだけではなく、水草や流木などと調和がとれた形での水槽の存在自体を楽しむというものです。


最近よく売れている水槽のサイズは、かって主流であった60センチのレギュラー水槽ではなく、40センチ以下の小型水槽が主流となっています。当然このようなサイズの水槽には、物理的にも小型魚しか入れられません。したがって現在の飼育スタイルは、前述のペット感覚というよりもインテリア感覚が主流になっていると言えるのではないでしょうか。正直大型魚の売れ行きが、年々減少傾向にあることからもこの傾向は否定出来ないと思います。


インテリアである以上、水槽は常に美しくあって、見る者の心にやすらぎを与えて欲しいと望むのは当然です。ご来客があって水槽の美しさが話題に出たりすると、とても幸せな気分になれるはずです。そして出来ることなら、めんどうな水換え作業やフィルターのメンテナンスなどは、避けて通りたいと考えられる方が大半のはずです。私は日々のお客様との対話の中で、その思いを痛切に感じています。


それにもかかわらず、現状の熱帯魚飼育のメカニズムは、多くのお客様のニーズからは遠く離れたところにあるような気がしてならないのは果たして私だけでしょうか。


現在の飼育技術では、その頻度に差こそあれ、水換え作業は不可欠です。そして見ている者を不快にさせるコケの発生の問題も完全にはクリアされていません。


私は、この二つの問題を少しでも軽減させていくことが、今以上に多くの方にアクアリウムを楽しんで頂くためには必要不可欠な条件だと思っています。またそのために、たゆまぬ研究開発努力を続けることが、メーカーさんを含めて私達業界人の使命だと考えています。


確かに熱帯魚の飼育技術は、ゆっくりしたペースではありますが、少しずつ進歩してはいます。魚が死んで仕方がないのだけれどどうしたら上手く飼えますかというような内容のご質問は、10年前に比べると大幅に減ってきました。熱帯魚飼育には不可欠のバクテリアの概念も浸透してきました。優秀な飼育器具類が、一頃に比べてとても安価になりました。にもかかわらず、アクアリストの人口は決して増えているとは言えないのが偽らざる事実なのです。


ところでインテリア指向のアクアリウムをリードする、水草関連の飼育器具メーカー『アクアデザイン・アマノ(ADA)』さんは、毎年水草の育成技術満載の豪華なカタログを無償で配布してくださって、水草レイアウト水槽の普及に多大な貢献をされている大変たのもしい存在です。


そして毎年『世界水草レイアウトコンテスト』を実施し、マニア心を駆り立てます。主眼はどのようなレイアウトにすれば、美しく見せることが出来るかということに置かれていて、水草の育成技術もさることながら美的センスを競い合うコンテストだと私には思えます。出品された作品は、どれもこれが本当に水槽の中の風景なのかと目を疑わんばかりの美しいものばかりです。


しかしながら主催者側の狙いの中に、熱帯魚業界のパイをもっと大きくしていきたいという主旨があるとすれば、少し的外れなコンテストだと私には思えてなりません。


確かにADAさんは、水草の健全な育成の為にCO2の強制添加が不可欠であることをいち早く提唱され、今や水草育成用底床材の定番となった感のあるアクアソイルも開発されました。しかし一番肝心なろ過に対する考え方に、未だに迷いがあるように思えてなりません。バクテリアがゼロの状態の真新しい水槽に、いきなり水草を植えて、頻繁に水換えを繰り返しながら水質の安定を待つという考え方には、私個人としてはどうしても納得出来ないのです。


作品の飼育データを見てみると必ずと言って良い程、水換えは週に1回1/3、時には週に2回1/3などと平気で記されています。


私はこれを見ると、すーっと興醒めしてしまうのです。


いかに美しい水景であったとしても、それを維持するために多大な手間隙をかけ続けなければならないとしたら、そんな趣味は決して広まるはずがないからです。


これから迎える高齢化社会を考えた時、アクアリウムの趣味は、必ず今まで以上に脚光を浴びる存在になり得るという確信が私の中にはあります。熱帯魚の飼育を楽しむ趣味に年齢制限はありません。定年を迎え人生の余暇を豊かに楽しもうと考えられた時、水槽の中で自然を再現して観賞するアクアリウムという趣味は、幼少の頃のノスタルジアとあいまって、きっとその後の人生をさらに充実したものに彩ってくれるはずです。


時代はすぐそこまで来ているのです。ご高齢の方にバケツリレーの水換え作業をお勧めするなんてナンセンスです。


どのようにすれば手間隙かけず、いかに手軽で簡単に、長期間美しく水槽を維持していけるか。そのことにこそ、もっと私達は探究心を持つ必要があります。


このテーマを常に念頭において、日々研鑽を積み、もっともっとお客様のお役に立てるよう努めていきたいと私は思います。

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